【世界の通貨】イギリスの通貨(ポンド)|硬貨・紙幣・最新デザイン

【世界の通貨】イギリスの通貨(ポンド)|硬貨・紙幣・最新デザイン
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この記事では、イギリスの通貨(ポンド)のデザインや、イギリスでの最低賃金など経済事情について調べています。イギリスのポンドは最も古い通貨と言われており、4つの主流通貨(ドル・ユーロ・円・ポンド)の中で3番目に多く取引されている大きな通貨でもあります。

変動は大きいですが流通量の多いイギリスの通貨・ポンドについてご紹介します。

目次

現在の主要通貨

イギリスの主要通貨は「スターリング・ポンド」です。また、補助通貨として「ペニー(複数形はペンス)」も使われており、100ペンスで1ポンドとなります。

1707年にイングランドとスコットランドが連合国となった際、ポンドが主要通貨となりました。しかし、760年にはすでに存在していたとされ、世界最古の通貨として知られているのです。

イギリス通貨の表記

イギリス通貨の国際通貨コードは「GBP」または「STG」と表記します。GBPは「Great Britain Pound(グレート・ブリテン・パウンド)」を意味し「STG」は「Sterling」を省略したものです。

イギリスでは「ポンド」や「スターリング」と呼ばれますが、くだけた言い方で「quid」「cable」「nicker」と呼ぶこともあります。日本では「イギリスポンド」「英ポンド」と呼んでいます。

イギリス通貨の記号

イギリス通貨の通貨記号は「£」です。アルファベットの「L」が歪んだような形に、1本の線が描かれた記号ですが、好みで2本線にしても間違いではないそう。イングランドの中央銀行では、1本線を規定としています。

アルファベットのLの形を使うようになったのは、古代ローマ人が重さを測る際に使われていた「libra pondo」という単位(現在はlbと表記)から来ているそうです。

現在の為替レート

イギリスのポンドは数十年の間大きく変動しており、なかなか為替を言い切ることができない状態が続いていました。数十年前は1ポンド200~250円に達したこともあれば、2008年のリーマンショックで暴落し150円まで下がりました。現在は円安・ポンド高が進行しており、1ポンド187円となっています。

1ポンドをほかの通貨単位に換算すると、 1.27USD(アメリカドル)、1.16EUR(ユーロ)となります。

イギリスの紙幣と硬貨|最新デザインと種類

イギリスで使われている紙幣とコインのデザインをご紹介します。

50ポンド紙幣

デザイン表(Front)裏(Back)


描かれているものエリザベス女王二世初代チャールズ皇太子三世アラン・チューリング
シースルー金色と緑色の「50」と「£」の文字銀色の「50」と「£」の文字
ホログラム「Fifty」と「Pound」の文字
大きさ146×77(mm)
特徴アラン・チューリングが数学者だったので、マトリックス図や数式が描かれている

(画像の引用:https://www.bankofengland.co.uk/banknotes/polymer-50-pound-note

20ポンド紙幣

デザイン表(Front)裏(Back)


描かれているものエリザベス女王二世初代チャールズ皇太子三世ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー
シースルー金色のマーゲート青色のターナーコンテンポラリー銀色のマーゲートとターナーコンテンポラリー
ホログラム「Twenty」と「Pounds」の文字
大きさ139×73(mm)
特徴UVライトで照らすと「20」の文字が浮かび上がる

(画像の引用:https://www.bankofengland.co.uk/banknotes/polymer-20-pound-note

10ポンド紙幣

デザイン表(Front)裏(Back)


描かれているものエリザベス女王二世初代チャールズ皇太子三世ジェーン・オースティンと、彼女の小説である「Pride and Prejudice」の登場人物エリザベス・ベネット
シースルー金色のウィンチェスター大聖堂銀色のウィンチェスター大聖堂
ホログラム「Ten」と「Pounds」の文字
大きさ132×69(mm)
特徴裏面に描かれているジェーン・オースティンの肖像画は、彼女の甥(ジェームス・エドワード・オースティン・レイ)が描いたものである

(画像の引用:https://www.bankofengland.co.uk/banknotes/polymer-10-pound-note

5ポンド紙幣

デザイン表(Front)裏(Back)


描かれているものエリザベス女王二世初代チャールズ皇太子三世ウィンストン・チャーチル
シースルー金色のビッグ・ベン銀色のビッグ・ベン
ホログラム「Five」と「Pounds」の文字
大きさ125×65(mm)
特徴目の不自由な人でも分かるように、あえて特殊な質感を与えずポリマー素材を使っている

(画像の引用:https://www.bankofengland.co.uk/banknotes/5-pound-note

2ポンド硬貨

デザイン表(Front)裏(Back)
描かれているものエリザベス女王二世製造年の記念行事など
素材銅、ニッケル、亜鉛
大きさ28.4mm
重さ12g

(画像の引用: )

1ポンド硬貨

デザイン表(Front)裏(Back)
描かれているものエリザベス女王二世イングランドのバラスコットランドのアザミウェールズのリーキ北アイルランドのシャムロック
素材ニッケル
大きさ23.43mm
重さ8.75g

(画像の引用:)

50ペンス硬貨

デザイン表(Front)裏(Back)
描かれているものエリザベス女王二世女神ブリタニアライオン
素材銅、ニッケル
大きさ27.3mm
重さ8g

(画像の引用:https://en.wikipedia.org/wiki/Fifty_pence_(British_coin)

20ペンス硬貨

デザイン表(Front)裏(Back)
描かれているものエリザベス女王二世イギリスのロイヤルシールド
素材銅、ニッケル
大きさ21.4mm
重さ5g

(画像の引用:https://en.wikipedia.org/wiki/Twenty_pence_(British_coin)

10ペンス硬貨

デザイン表(Front)裏(Back)
描かれているものエリザベス女王二世イギリスのロイヤルシールド
素材ニッケル、鋼鉄
大きさ24.5mm
重さ6.5g

(画像の引用:https://en.wikipedia.org/wiki/Ten_pence_(British_coin)

5ペンス硬貨

デザイン表(Front)裏(Back)
描かれているものエリザベス女王二世イギリスのロイヤルシールド
素材ニッケル、鋼鉄
大きさ18mm
重さ3.25g

(画像の引用:https://en.wikipedia.org/wiki/Five_pence_(British_coin)

2ペンス硬貨

デザイン表(Front)裏(Back)
描かれているものエリザベス女王二世イギリスのロイヤルシールド
素材鋼鉄
大きさ25.9mm
重さ7.12g

(画像の引用:https://en.wikipedia.org/wiki/Two_pence_(British_decimal_coin)

1ペニー硬貨

デザイン表(Front)裏(Back)
描かれているものエリザベス女王二世イギリスのロイヤルシールド
素材鋼鉄
大きさ20.3mm
重さ3.56g

(画像の引用:https://en.wikipedia.org/wiki/Penny_(British_decimal_coin)

偽札を防ぐためにしてること

イギリスの紙幣において偽札を防ぐために施されているのは、以下の通りです。

  • ホログラム加工されている(紙幣によっては数ヶ所)
  • シースルー窓があり両面から違う見え方をする
  • ホイルパッチが施してある(紙幣によっては数ヶ所、また3D加工されたものもある)
  • 凹凸加工が施してある
  • ユニーク番号がプリントされている
  • UVライトに当てると紙幣の数字が浮かび上がる

イギリスの最低賃金と平均年収は?

イギリスの最低賃金は以下の通りです。

  • 成人:11.44ポンド
  • 18~20歳:8.10ポンド
  • 16~17歳:6.40ポンド

上記の最低賃金は2023年11月に改訂され、2024年4月より適用されています。イギリスでは政府が賃金水準の引き上げを掲げており、上記の最低賃金は前年から最大21.2%も上昇しています。

イギリスの平均年収は24,600ポンドで、日本円に換算すると460万円ほどです。イギリスにはまだ階級社会が根強く残っているため、労働者階級の人は学費の高い学校に通えなかったり、良い職業に就けなかったりする現実があるようです。

まとめ

イギリスの通貨(ポンド)のデザインや最低賃金、平均年収について調べてみました。紙幣、通貨すべてにエリザベス女王二世が載っている点では、歴史を重んじ国の女王をいつまでも崇拝する文化が感じられました。また、賃金は上昇傾向にあるものの階級社会の名残で、生まれた家によって通える学校や就ける職業が限定されているという現状もありました。貴族のイメージがあるイギリスですが、日本同様に賃金や年収の格差もあるようです。

参考文献

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  5. https://cleartax.in/glossary/gbp
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  16. https://www.royalmint.com/discover/uk-coins/coin-design-and-specifications/two-pound-coin/
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  18. https://www.royalmint.com/discover/uk-coins/coin-design-and-specifications/ten-pence-coin/
  19. https://www.royalmint.com/discover/uk-coins/coin-design-and-specifications/five-pence-coin/
  20. https://www.royalmint.com/discover/uk-coins/coin-design-and-specifications/one-penny-coin/
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この記事を書いた人

今まで勉強してこなかった歴史と経済にハマり、仕事を辞めて世界を放浪中。旅行をしながらその土地の文化と歴史に触れています。キャッシュレスが進む昨今ですが、意外と貨幣にはその国の歴史が詰まっていました。いつ現金がなくなるか分かりませんが、今だからこそ世界のお金のトレビアを紹介します。

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