この記事では、トルコの通貨(リラ)のデザインや、トルコでの最低賃金など経済事情について調べています。トルコリラはデノミネーションを経て、現在2代目のトルコリラが流通しています。
トルコは親日家の国として知られ、日本と歴史的交流が深い国でもあります。最初の交流は1873年にまで遡り、現在も日本国内に多くのトルコ友好協会が存在しています。
そんなトルコを訪れることがあれば、ぜひ通貨や経済事情について知っておいてくださいね。
現在のトルコの主要通貨
トルコの主要通貨は「リラ」です。補助通貨単位として「クルシュ」があり、1トルコリラ=100クルシュとなっています。
リラはオスマン帝国時代から使われていた通貨単位で、2005年には「新トルコリラ」にデノミネーションされ、再びトルコリラとして新しくなりました。新トルコリラが現在では「旧通貨」であり、トルコリラが現行の通貨です。
トルコ通貨の表記
トルコの国際通貨コードは「TRY」と表記されます。補助通貨「クルシュ」は「Kr」です。通貨記号は「₺」であり、この記号は船のイカリを半分にした形がイメージされており「安全な港」の意味が込められているそうですよ。
新トルコリラ時代はYeni Türk Lirası(イェニ・テュルク・リラス)というトルコ語の頭文字を取り「YTL」と表記されていました。
現在の為替レート
トルコで使われている通貨・リラのレートを見てみましょう。
2024年10月現在、1TRYは4JPYとなっています。アメリカドルにすると0,02USD、ユーロにすると0.02EURです。
トルコリラの相場は現在、ウクライナ戦争や欧米諸国との対立など国際情勢の不安定が影響し、下落を続けています。
トルコの紙幣とコインの最新デザインと種類
トルコで使われている通貨と紙幣のデザインをご紹介します。
200リラ紙幣
デザイン | 表(Front) | 裏(Back) |
描かれているもの | ムスタファ・ケマル・アタテュルク | ユヌス・エムレユヌスの霊廟薔薇鳩ユヌスの詩 |
デザイン詳細 | トルコ共和国の初代大統領 | トルコの詩人 |
色 | 紫 | |
透かし | ムスタファ・ケマル・アタテュルクの肖像画 | |
大きさ | 160×72(mm) |
100リラ紙幣
デザイン | 表(Front) | 裏(Back) |
描かれているもの | ムスタファ・ケマル・アタテュルク | ブフリザデ・ウトリ音符楽器メヴレヴィー教団 |
デザイン詳細 | トルコ共和国の初代大統領 | ブフリザデ・ウトリ:トルコの音楽家メヴレヴィー教団:イスラム教の教団 |
色 | 青 | |
透かし | ムスタファ・ケマル・アタテュルクの肖像画 | |
大きさ | 154×72(mm) |
50リラ紙幣
デザイン | 表(Front) | 裏(Back) |
描かれているもの | ムスタファ・ケマル・アタテュルク | ファトマ・アリイェ花文学 |
デザイン詳細 | トルコ共和国の初代大統領 | ファトマ・アリイェ:トルコ女性運動の先駆者 |
色 | 橙 | |
透かし | ムスタファ・ケマル・アタテュルクの肖像画 | |
大きさ | 148×68(mm) |
20リラ紙幣
デザイン | 表(Front) | 裏(Back) |
描かれているもの | ムスタファ・ケマル・アタテュルク | ケマレッディンGazi大学の本館水道と循環のモチーフ「建築」を象徴する立方体・球・円柱 |
デザイン詳細 | トルコ共和国の初代大統領 | ケマレッディン:トルコの建築家Gazi大学:トルコ・アンカラにある大学 |
色 | 緑 | |
透かし | ムスタファ・ケマル・アタテュルクの肖像画 | |
大きさ | 142×68(mm) |
10リラ紙幣
デザイン | 表(Front) | 裏(Back) |
描かれているもの | ムスタファ・ケマル・アタテュルク | ジャヒト・アルフ |
デザイン詳細 | トルコ共和国の初代大統領 | トルコの数学者そろばんや不変量など数学情報 |
色 | 赤 | |
透かし | ムスタファ・ケマル・アタテュルクの肖像画 | |
大きさ | 136×64(mm) |
5リラ紙幣
デザイン | 表(Front) | 裏(Back) |
描かれているもの | ムスタファ・ケマル・アタテュルク | アイドゥン・サユル太陽系原子やDNA古代洞窟 |
デザイン詳細 | トルコ共和国の初代大統領 | アイドゥン・サユル:トルコの科学史者 |
色 | 褐 | |
透かし | ムスタファ・ケマル・アタテュルクの肖像画 | |
大きさ | 130×64(mm) |
1リラ硬貨
デザイン | 表(Front) | 裏(Back) |
描かれているもの | オスマン帝国のシンボルジャラール・ウッディーン・ルーミー | ムスタファ・ケマル・アタテュルク |
デザイン詳細 | ジャラール・ウッディーン・ルーミー:ペルシャ語文学の神秘主義詩人 | トルコ共和国の初代大統領 |
素材 | バイメタル貨 | |
大きさ | 26.15mm | |
重さ | 8.2g |
(画像の引用:https://en.wikipedia.org/wiki/Turkish_lira#Coins )
50クルシュ硬貨
デザイン | 表(Front) | 裏(Back) |
描かれているもの | オスマン帝国のシンボルイスタンブールのシルエット7月15日殉教者の橋(ボスポラス橋) | ムスタファ・ケマル・アタテュルク |
デザイン詳細 | 7月15日殉教者の橋:2016年に起きたクーデター未遂事件により市民が犠牲になった場所 | トルコ共和国の初代大統領 |
素材 | バイメタル貨 | |
大きさ | 23.85mm | |
重さ | 6.8g |
(画像の引用:https://en.wikipedia.org/wiki/Turkish_lira#Coins )
25クルシュ硬貨
デザイン | 表(Front) | 裏(Back) |
描かれているもの | オスマン帝国のシンボルクーフィー体 | ムスタファ・ケマル・アタテュルク |
デザイン詳細 | クーフィー体:アラビア文字の最古の書法 | トルコ共和国の初代大統領 |
素材 | 銅・ニッケル・亜鉛 | |
大きさ | 20.5mm | |
重さ | 4g |
(画像の引用:https://en.wikipedia.org/wiki/Turkish_lira#Coins )
10クルシュ硬貨
デザイン | 表(Front) | 裏(Back) |
描かれているもの | オスマン帝国のシンボルジャラール・ウッディーン・ルーミー | ムスタファ・ケマル・アタテュルク |
デザイン詳細 | ジャラール・ウッディーン・ルーミー:ペルシャ語文学の神秘主義詩人 | トルコ共和国の初代大統領 |
素材 | 銅・ニッケル・亜鉛 | |
大きさ | 18.5 mm | |
重さ | 3.15 g |
(画像の引用:https://en.wikipedia.org/wiki/Turkish_lira#Coins )
5クルシュ硬貨
デザイン | 表(Front) | 裏(Back) |
描かれているもの | オスマン帝国のシンボル生命の木 | ムスタファ・ケマル・アタテュルク |
デザイン詳細 | 生命の木:トルコの絨毯の模様に用いられることが多いトルコ神話のシンボル | トルコ共和国の初代大統領 |
素材 | 銅・ニッケル・亜鉛 | |
大きさ | 17.5 mm | |
重さ | 2.9 g |
(画像の引用:https://en.wikipedia.org/wiki/Turkish_lira#Coins )
1クルシュ硬貨
デザイン | 表(Front) | 裏(Back) |
描かれているもの | オスマン帝国のシンボルスノードロップ | ムスタファ・ケマル・アタテュルク |
デザイン詳細 | スノードロップ:ヨーロッパ各地でみられるヒガンバナ科の植物 | トルコ共和国の初代大統領 |
素材 | 銅・亜鉛 | |
大きさ | 16.5 mm | |
重さ | 2.2 g |
(画像の引用:https://en.wikipedia.org/wiki/Turkish_lira#Coins )
偽札を防ぐためにしていること
トルコの紙幣において偽札を防ぐために施されているのは、以下の通りです。
- ホログラム加工が施されている
- セキュリティスレッドが印字されている
- 紙幣を傾けると通貨の額面が浮かび上がる
- 通貨の額面がシースルー印刷されている
- 凹凸プリントがされている
- マイクロ印刷がされている
- UVライトに当てると繊維質の記号が浮かび上がる
2007年、まだトルコで「新トルコリラ」が使われていた時代には、何兆リラもの偽札が出回り数千人が逮捕されるという大規模な事件がありました。
トルコの最低賃金と平均年収は?
トルコの最低賃金と平均年収を見てみましょう。
トルコの最低賃金は666.75TRY(約2,903円)です。トルコの最低賃金は多くて年に2回、倍増ペースで引き上げが続いています。ハイパーインフレや物価上昇の影響があるようです。
トルコの平均年収は377TRY(約1,643,515円)となっており、日本の平均年収よりも低いことが分かりました。トルコの雇用率は50%で、特に女性の雇用率が低い傾向にあります。
まとめ
トルコの通貨・リラについて、またトルコの賃金や年収について調査しました。トルコは経済的に発展した国ですが、平均年収は日本と比較すると低く、雇用レベルにも課題があることが分かりました。
通貨は豊富にありますが、特に硬貨の利用や流通が少なくなっており、現在では大きな金額の硬貨(1リラ・50クルシュ)を除いてほとんど出回っていないそうです。クレジットカードの普及率は約8割とされ、現金を持ち歩かない国民も多くいますが、観光の際には公共交通機関を利用する際のチャージのため、現金を用意しておくと良いでしょう。
参考文献
- https://www.bank-daiwa.co.jp/column/articles/2019/2019_204.html
- https://www.xe.com/
- https://media.rakuten-sec.net/articles/-/16076
- https://en.wikipedia.org/wiki/Mustafa_Kemal_Atat%C3%BCrk
- http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=13576
- https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/01/f8b7b1aa6e0164ac.html
- https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB27B410X21C23A2000000/
- https://www.globalnote.jp/post-10401.html
- https://poradnuk.com.ua/ja/-%E5%B9%B4%E3%81%AE%E3%83%88%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%81%AE%E7%B5%A6%E4%B8%8E-%E5%B9%B3%E5%9D%87%E3%80%81%E6%9C%80%E4%BD%8E.htm
- https://jp.trip.com/guide/info/%E3%83%88%E3%83%AB%E3%82%B3+%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%82%B8%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%89.html
- https://turkish.jp/blog/%E8%A6%AA%E6%97%A5%E5%9B%BD%E5%AE%B6%E3%83%88%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%81%A8%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2%E3%82%92%E5%BE%B9%E5%BA%95%E8%A7%A3%E8%AA%AC%EF%BC%81%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%83%88/