【世界の通貨】カタールの通貨(リヤル)|硬貨・紙幣・最新デザイン

【世界の通貨】カタールの通貨(リヤル)|硬貨・紙幣・最新デザイン

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この記事では、カタールの通貨(リヤル)のデザインや、カタールでの最低賃金など経済事情について調べています。旅行はもちろん、労働としても外国から多くの人々が流入してきているカタール。北・西・東をペルシャ湾に囲まれ、砂漠が中心の国です。そのため、夏は40℃以上を記録することもあるそう。旅行に行く際には、天候対策にも注意したいですね。そんなカタールの通貨について、徹底調査してみました。

目次

現在のカタールの主要通貨

カタールの主要通貨は「リヤル」です。補助通貨単位「ディルハム」があり、リヤルの100分の1の価値です。1966年まではインド・ルピーが使われていたカタールですが、インドがルピーの通貨切り下げを行ったことをきっかけに、独自通貨を導入しました。カタールとドバイが共同でリヤルを発行していた時期がありましたが、ドバイがアラブ首長国連邦に参加し「UAEディルハム」を用いるようになったため、単独でカタール・リヤルを発行することになったそうです。

カタール通貨の表記

カタールの国際通貨コードは「QAR」と表記されます。通貨記号はQRもしくは「ر.ق」で、この記号はカタール(Qatar)の頭文字を表しています。QRは正式な通貨コード「QAR」の略式で、主にカタール国内で簡易的に使われるようです。ディルハムは国際取引でほぼ使われないため、自体にはコードや記号が存在しません。主に小数点を使って表記されますが、簡易表記として「DH」という表記がなされることもあるようです。

現在の為替レート

カタールで使われている通貨・リヤルのレートを見てみましょう。2025年9月現在、カタール・リヤルを日本円にすると1QAR=40JPYです。アメリカドルでは0.27USD、ユーロでは0.23EURです。カタール・リヤルは米ドルに固定されており、為替レートはカタールの法律で定められています。2017年にはカタール外交危機が発生し、カタールを封鎖している国の銀行は、カタールとの取引を停止したこともありました。カタール中央銀行はそれ以降も、固定レートで米ドルの売買を続けています。

カタールは低インフレの安定した国

過去10年ほど、カタールの年間インフレ率は1〜3%前後。世界的に見ても低インフレとされており、原油・天然ガスの価格変動に影響を受けるものの、為替が米ドルにペッグされているため、急激な変動は抑えられています。都市部の住居費や一部の輸入食品においては、価格上昇が発生することはありますが、ハイパーインフレのような状態になったことはありません。為替固定制を取り入れたり、天然資源収入が安定していたりすることから、物価の大きな変動がないそうです。

カタールの紙幣とコインの最新デザインと種類

カタールで使われている通貨と紙幣のデザインをご紹介します。

500リヤル紙幣

デザイン表(Front)裏(Back)
描かれているもの装飾柱、アーチ門、国章首長の館
バイオレット
透かしハヤブサの頭
大きさ170×74(mm)

(画像の引用:https://www.qcb.gov.qa/en/Pages/currentbanknotes.aspx

200リヤル紙幣

デザイン表(Front)裏(Back)
描かれているもの装飾柱、アーチ門、国章シェイク・アブドゥッラー・ビン・ジャシム・アル・サーニー宮殿、カタール国立博物館、イスラム美術館
透かしハヤブサの頭
大きさ161×73(mm)

(画像の引用:https://www.qcb.gov.qa/en/Pages/currentbanknotes.aspx

100リヤル紙幣

デザイン表(Front)裏(Back)
描かれているもの装飾柱、アーチ門、国章ドーハのグランドモスク
シアン
透かしハヤブサの頭
大きさ158×72(mm)

(画像の引用:https://www.qcb.gov.qa/en/Pages/currentbanknotes.aspx

50リヤル紙幣

デザイン表(Front)裏(Back)
描かれているもの装飾柱、アーチ門、国章カタール中央銀行、ドーハ・コルニッシュのカキ真珠モニュメント
透かしハヤブサの頭
大きさ152×70(mm)

(画像の引用:https://www.qcb.gov.qa/en/Pages/currentbanknotes.aspx

10リヤル紙幣

デザイン表(Front)裏(Back)
描かれているもの装飾柱、アーチ門、国章ダウ船、砂丘
透かしハヤブサの頭
大きさ146×69(mm)

(画像の引用:https://www.qcb.gov.qa/en/Pages/currentbanknotes.aspx

5リヤル紙幣

デザイン表(Front)裏(Back)
描かれているもの装飾柱、アーチ門、国章アラビアオリックス、ヒトコブラクダ、ドーハのカタール国立博物館
透かしハヤブサの頭
大きさ140×67(mm)

(画像の引用:https://www.qcb.gov.qa/en/Pages/currentbanknotes.aspx

1リヤル紙幣

デザイン表(Front)裏(Back)
描かれているもの装飾柱、アーチ門、国章カンムリヒバリ、ハチクイ、メダイチドリ
透かしハヤブサの頭
大きさ135×66(mm)

(画像の引用:https://www.qcb.gov.qa/en/Pages/currentbanknotes.aspx

50ディルハム硬貨

デザイン表(Front)裏(Back)
描かれているものカタールの国章額面の数字 「STATE OF QATAR」の文字
素材ニッケル被覆・鋼
大きさ25mm
重さ5.8g

(画像の引用:https://en.numista.com/45198

25ディルハム硬貨

デザイン表(Front)裏(Back)
描かれているものカタールの国章額面の数字 「STATE OF QATAR」の文字
素材ニッケル被覆・鋼
大きさ20mm
重さ3.2g

(画像の引用:https://en.numista.com/46251

偽札を防ぐためにしていること

カタールの紙幣において偽札を防ぐために施されているのは、以下の通りです。

  • セキュリティスレッドが施されている
  • 高額紙幣には、角度によって色や模様が変わるホログラムが施されている
  • マイクロ文字が印字されている
  • 光の角度で色が変わる特殊インクが使用されている
  • 紙幣の表面に凹凸のある印刷がされている
  • 紫外線を当てると模様や額面が浮かび上がる

高額紙幣ほどセキュリティ機能が多く施されており、特に50リヤル以上の紙幣には複数のセキュリティ機能が組み合わさっています。

カタールの最低賃金と平均年収は?

カタールの最低賃金と平均年収を見てみましょう。カタールでは2025年1月1日より、すべての労働者に対して月額1,000QAR(約40,651JPY)の最低賃金が定められました。さらに住宅手当と食費手当を含めることが義務付けられており、これらを合算すると月給は1,800QAR(約73,172JPY)を超える計算になります。平均年収は189,600QAR(約7,707,466JPY)と、水準が高め。これは、カタールが個人所得税のない国だからです。そのため、カタールには高所得者層が多いようです。しかし、低所得者層も実際にはおり、生活費の高さが懸念されています。

まとめ

カタールの通貨・リヤルについて、またカタールの賃金や年収について調査しました。外国人労働者が多数を占めるカタールは、多国籍で国際的な雰囲気があります。2022年にはFIFAワールドカップを開催し、医療やインフラへの投資も進んできているようです。高度に近代化した都市と伝統文化が共存する国・カタールでは、キャッシュレスに対応する店が増えてきていますが、訪れる際には念のため、現金を持っておくと安心でしょう。

参考文献

  1. https://en.numista.com/258988
  2. https://en.numista.com/202237
  3. https://en.numista.com/258926
  4. https://en.numista.com/206021
  5. https://en.numista.com/218393
  6. https://en.numista.com/258816
  7. https://en.numista.com/258813
  8. https://en.wikipedia.org/wiki/Qatari_riyal#
  9. https://www.qa.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00400.html
  10. https://www.xe.com/ja/
  11. https://www.playroll.com/global-hiring-guides/qatar
  12. https://statistics.timecamp.com/average-salary/qatar/
  13. https://ecodb.net/ranking/imf_pcpipch.html

この記事を書いた人

今まで勉強してこなかった歴史と経済にハマり、仕事を辞めて世界を放浪中。旅行をしながらその土地の文化と歴史に触れています。キャッシュレスが進む昨今ですが、意外と貨幣にはその国の歴史が詰まっていました。いつ現金がなくなるか分かりませんが、今だからこそ世界のお金のトレビアを紹介します。

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