【世界の通貨】ケニアの通貨(シリング)|硬貨・紙幣・最新デザイン

【世界の通貨】ケニアの通貨(シリング)|硬貨・紙幣・最新デザイン

この記事では、ケニアの通貨(シリング)のデザインや、ケニアでの最低賃金など経済事情について調べています。ケニアへの旅行は、マサイ族など色鮮やかな伝統文化に触れられるのが魅力ですよね。治安には地域差があるため安全に旅行できるよう注意が必要で、ソマリアとの国境地帯は渡航禁止レベルで危険性が高い場所です。それでは、ケニアの通貨や経済状況について見てみましょう。

目次

現在のケニアの主要通貨

ケニアの主要通貨は「シリング」です。補助通貨単位として、100分の1の「セント」が存在しています。ケニア・シリングは「東アフリカ・シリング」に代わって、1966年に等価で導入された比較的安定した通貨で、ソマリアや南スーダンなど情勢が不安定な国で用いられる信頼性の高さを持っています。都市部に行くとキャッシュレス決済も可能ですよ。

ケニア通貨の表記

ケニアの国際通貨コードは「KES」と表記されます。通貨記号は「KSh」です。「KES」はKenyan Shilling(ケニア・シリング)の略で、イギリスの植民地時代の名残で名付けられた名称だそうです。「KSh」という表記はケニア国内の価格表示やレシートにおいてみられますが、現地の人はケニア・シリングを「ボブ」と呼ぶこともあるそうですよ。ボブという表現も、イギリスの名残だといわれています。

現在の為替レート

ケニアで使われている通貨・シリングのレートを見てみましょう。2025年5月現在、1KES=1.1JPYです。アメリカドルでは0.007USD、0.006EURとなっています。変動幅は比較的小さく、安定した推移を維持している通貨の1つです。ケニア中央銀行が為替市場の安定を図っているほか、ケニアには海外在住の国民からの送金が多くあり、外貨供給を支えていると考えられます。

ケニア・シリングは一度も切り下げられたことがない

ケニア・シリングはアフリカ諸国では珍しく、一度もデノミネーションが行われたことのない通貨です。インフレの経験はあり、2023~2024年にはインフレ率が9〜10%を記録しましたが、通貨が崩壊する心配はなされませんでした。近隣国・ジンバブエやザンビア、アンゴラなどではハイパーインフレに対応するための措置としてデノミネーションが行われ、通貨制度がリセットされることがありましたが、ケニアでは安定した状態を維持しています。

ケニアの紙幣とコインの最新デザインと種類

ケニアで使われている通貨と紙幣のデザインをご紹介します。 

1,000シリング紙幣

デザイン表(Front)裏(Back)
描かれているものジョモ・ケニヤッタ初代大統領の銅像ケニヤッタ国際会議場国会議事堂
透かしライオン
大きさ143×70(mm)

(画像の引用: https://www.centralbank.go.ke/wp-content/uploads/2019/06/New-Generation-Banknotes-Pamphlet.pdf

500シリング紙幣

デザイン表(Front)裏(Back)
描かれているものジョモ・ケニヤッタ初代大統領の銅像ケニヤッタ国際会議場ゾウ、キリン、ライオン
デザイン詳細観光をテーマにしている
透かしライオン
大きさ138×68(mm)

(画像の引用: https://www.centralbank.go.ke/wp-content/uploads/2019/06/New-Generation-Banknotes-Pamphlet.pdf

200シリング紙幣

デザイン表(Front)裏(Back)
描かれているものジョモ・ケニヤッタ初代大統領の銅像ケニヤッタ国際会議場子どもたちケニアの陸上選手
透かしライオン
大きさ133×66(mm)

(画像の引用: https://www.centralbank.go.ke/wp-content/uploads/2019/06/New-Generation-Banknotes-Pamphlet.pdf

100シリング紙幣

デザイン表(Front)裏(Back)
描かれているものジョモ・ケニヤッタ初代大統領の銅像ケニヤッタ国際会議場穀物、農業、畜産業
透かしライオン
大きさ128×64(mm)

(画像の引用: https://www.centralbank.go.ke/wp-content/uploads/2019/06/New-Generation-Banknotes-Pamphlet.pdf

50シリング紙幣

デザイン表(Front)裏(Back)
描かれているものジョモ・ケニヤッタ初代大統領の銅像ケニヤッタ国際会議場風力発電所、地熱発電所、太陽光発電所
透かしライオン
大きさ123×62(mm)

(画像の引用: https://www.centralbank.go.ke/wp-content/uploads/2019/06/New-Generation-Banknotes-Pamphlet.pdf

20シリング硬貨

デザイン表(Front)裏(Back)

描かれているものアフリカゾウケニアの国章
素材バイメタル貨
大きさ26mm
重さ9g

(画像の引用:https://www.centralbank.go.ke/wp-content/uploads/2021/09/Coin-Poster.pdf

10シリング硬貨

デザイン表(Front)裏(Back)


描かれているものライオンケニアの国章
素材バイメタル貨
大きさ23mm
重さ5g

(画像の引用:https://www.centralbank.go.ke/wp-content/uploads/2021/09/Coin-Poster.pdf

5シリング硬貨

デザイン表(Front)裏(Back)


描かれているものサイケニアの国章
素材バイメタル貨
大きさ19.5mm
重さ3.75g

(画像の引用:https://www.centralbank.go.ke/wp-content/uploads/2021/09/Coin-Poster.pdf

1シリング硬貨

デザイン表(Front)裏(Back)


描かれているものキリンケニアの国章
素材ステンレス製
大きさ23.9mm
重さ5.5g

(画像の引用:https://www.centralbank.go.ke/wp-content/uploads/2021/09/Coin-Poster.pdf

50セント硬貨

デザイン表(Front)裏(Back)


描かれているものジョモ・ケニヤッタ初代大統領ケニアの国章
素材ステンレス製
大きさ21.9mm
重さ4.5g

(画像の引用:https://en.ucoin.net/coin/kenya-50-cents-1969-1978/?tid=23747

偽札を防ぐためにしていること

ケニアの紙幣において偽札を防ぐために施されているのは、以下の通りです。

  • 凹凸プリントが施されている
  • セキュリティスレッドが印字されている
  • 角度によって色が変わる印刷が施されている
  • 視覚障害者向けの触覚マークが施されている

ケニアでは偽札問題が後を絶たず、新しい紙幣が導入されています。しかし、それでも偽札問題は完全に解消されていないようです。最新の紙幣には、セキュリティスレッドなどの高度な機能が備わっており、国民に対しても「触る、見る、傾ける」という3つの方法で紙幣を識別することを周知しています。

ケニアの最低賃金と平均年収は?

ケニアの最低賃金と平均年収を見てみましょう。ケニアの最低賃金は職種ごとに45のカテゴリーに分かれており、2022年に一律12%引き上げられました。例として、首都ナイロビの「家政婦・掃除人」の月額最低賃金は15,202JPY(約16,987JPY)です。平均年収も同じく職種ごとに幅があり、842,873KES(約942,732JPY)から875,801KES(約979,403JPY)となっています。ケニアの国民は多くが出稼ぎのため海外に在住しており、そのお金を母国に送金しているという実情もあります。このことがケニア国民の生活を豊かにするだけでなく、為替市場の安定にもつながっているのです。

まとめ

ケニアの通貨・シリングについて、またケニアの賃金や年収について調査しました。ケニアは自然・文化・野生動物の宝庫として知られ、旅行先としても人気です。しかし、治安・医療・通貨事情に気をつける必要があるでしょう。都市部ではキャッシュレス決済が可能ですが、ほとんどの地域で現金が必要になり、特に少額の硬貨を多く持っておくと便利だそうです。便利で安全なケニア旅行を楽しんでくださいね。

参考文献

  1. https://www.jetro.go.jp/biznews/2022/05/468bad73eb47fc9b.html#:~:text=%E4%BE%8B%E3%81%88%E3%81%B0%E3%80%81%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%AD%E3%83%93%E5%B8%82%E3%81%AE%E3%80%8C%E5%AE%B6%E6%94%BF,%E3%81%8C%E4%BD%8E%E4%B8%8B%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%9F%E3%80%82
  2. https://www.jetro.go.jp/biznews/2023/05/9c7b59e2089247cc.html
  3. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B1%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0
  4. https://en.wikipedia.org/wiki/Kenyan_shilling
  5. https://www.buntetsu.net/mbc/fcc_ken.html
  6. https://www.xe.com/
  7. https://en.wikipedia.org/wiki/Shilling

この記事を書いた人

今まで勉強してこなかった歴史と経済にハマり、仕事を辞めて世界を放浪中。旅行をしながらその土地の文化と歴史に触れています。キャッシュレスが進む昨今ですが、意外と貨幣にはその国の歴史が詰まっていました。いつ現金がなくなるか分かりませんが、今だからこそ世界のお金のトレビアを紹介します。

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