【世界の通貨】ジョージアの通貨(ラリ)|硬貨・紙幣・最新デザイン

【世界の通貨】ジョージアの通貨(ラリ)|硬貨・紙幣・最新デザイン

この記事では、ジョージアの通貨(ラリ)のデザインや、ジョージアでの最低賃金など経済事情について調べています。ジョージアはかつてソ連の構成国の1つだった過去を持ち、1991年に独立しています。ジョージアの中では、南オセチアとアブハジアの2地域が事実上の独立状態となっている複雑な事情も。ジョージアはロシアと国交断絶をしていますが、上記2地域ではロシアの通貨が用いられています。この記事では、上記2地域を除くジョージアで使える通貨「ラリ」についてご紹介します。

目次

現在のジョージアの主要通貨

ジョージアの主要通貨は「ラリ」です。補助通貨単位「テトリ」が存在し、テトリは硬貨でのみ存在しています。価値の低いテトリ硬貨は現在失効しており、現金払いの際は二捨三入七捨八入の扱い(最も近い5の倍数に丸める)となるそうです。ラリは、ソ連時代に使われていたソビエト連邦の通貨・ルーブルに代わり、1995年9月に導入されました。導入以来インフレーションを経験せず、安定した通貨としても知られています。

ジョージア通貨の表記

ジョージアの国際通貨コードは「GEL」と表記されます。記号は「₾」が制定され、グルジア文字でラリの頭文字にあたる「ლ」という文字に基づいています。記号は公募によって決められたそうですよ。「GEL」は「ジョージア・ラリ」の略称として知られていますが、実はGはグルジアのGです。グルジアとは、ジョージア(Georgia)のロシア語読み。ジョージアは旧ソ連の一国で、ソ連崩壊後に対立的な関係が続いていることから、ロシア語由来の呼称から英語読みの「ジョージア」と呼ばれるようになりました。

現在の為替レート

ジョージアで使われている通貨・ラリのレートを見てみましょう。2025年6月現在、日本円は1GEL=53JPYです。アメリカドルは0.36USD、ユーロは0.31EURです。ジョージア・ラリは、ソ連崩壊後の安定化政策として導入された通貨単位で、ジョージア中央銀行の政策が比較的堅実であることも、安定した通貨である理由の1つだそうです。観光や投資で外貨収入が多く、ヨーロッパやアジアの市場と深く関係しています。安定性はありますが、完全な変動相場制なので、国際情勢が直接影響しやすい通貨でもあります。

ジョージアの紙幣とコインの最新デザインと種類

ジョージアで使われている通貨と紙幣のデザインをご紹介します。 

100ラリ紙幣

デザイン表(Front)裏(Back)
描かれているものショタ・ルスタヴェリトビリシ国立歌劇場
デザイン詳細ジョージアの詩人
バイオレット
透かしショタ・ルスタヴェリ
大きさ70×142(mm)

(画像の引用:https://nbg.gov.ge/en/georgian-money/banknotes?id=9&lng=en&subpath=en

50ラリ紙幣

デザイン表(Front)裏(Back)
描かれているものタマル・バグラティオニ人馬宮
デザイン詳細グルジア王国の女王
透かしタマル・バグラティオニ
大きさ68×137(mm)

(画像の引用:https://nbg.gov.ge/en/georgian-money/banknotes?id=12&lng=en&subpath=en

20ラリ紙幣

デザイン表(Front)裏(Back)
描かれているものイリア・チャヴチャヴァゼヴァフタング1世
デザイン詳細ジョージアの作家・政治家・詩人・出版者イベリア王国(現ジョージア)の第32代国王
マゼンタ
透かしイリア・チャヴチャヴァゼ
大きさ66×132(mm)

(画像の引用:https://nbg.gov.ge/en/georgian-money/banknotes?id=7&lng=en&subpath=en

10ラリ紙幣

デザイン表(Front)裏(Back)
描かれているものアカキ・ツェレテリ絵画「イメレティ-わたしの母」
デザイン詳細ジョージアの詩人
透かしアカキ・ツェレテリ
大きさ64×127(mm)

(画像の引用:https://nbg.gov.ge/en/georgian-money/banknotes?id=8&lng=en&subpath=en

5ラリ紙幣

デザイン表(Front)裏(Back)
描かれているものイヴァネ・ジャヴァヒシヴィリトビリシ国立大学絵画「赤シャツの脱穀と漁師」
デザイン詳細ジョージアの歴史家、言語学者と、ジョージアの国立研究大学
透かしイヴァネ・ジャヴァヒシヴィリ
大きさ62×122(mm)

(画像の引用:https://nbg.gov.ge/en/georgian-money/banknotes?id=15&lng=en&subpath=en

2ラリ硬貨

デザイン表(Front)裏(Back)


描かれているもの額面の数字国章
素材バイメタル貨
大きさ27mm
重さ8g

(画像の引用:https://nbg.gov.ge/en/georgian-money/coins

1ラリ硬貨

デザイン表(Front)裏(Back)


描かれているもの額面の数字国章
素材白銅
大きさ26.2mm
重さ7.8g

(画像の引用:https://nbg.gov.ge/en/georgian-money/coins

50テトリ硬貨

デザイン表(Front)裏(Back)


描かれているもの額面の数字国章
素材ステンレス
大きさ24mm
重さ6.5g

(画像の引用:https://nbg.gov.ge/en/georgian-money/coins

20テトリ硬貨

デザイン表(Front)裏(Back)


描かれているもの額面の数字雄鹿ボージガーレイ(ジョージアの太陽のシンボル)
素材ステンレス
大きさ25mm
重さ5g

(画像の引用:https://nbg.gov.ge/en/georgian-money/coins

10テトリ硬貨

デザイン表(Front)裏(Back)


描かれているものライオンに乗るサン・マメス(殉教した子ども)ボージガーレイ(ジョージアの太陽のシンボル)
素材ステンレス
大きさ22mm
重さ3g

(画像の引用:https://nbg.gov.ge/en/georgian-money/coins

5テトリ硬貨

デザイン表(Front)裏(Back)


描かれているもの額面の数字ライオンボージガーレイ(ジョージアの太陽のシンボル)
素材ステンレス
大きさ20mm
重さ2.5g

(画像の引用:https://nbg.gov.ge/en/georgian-money/coins

偽札を防ぐためにしていること

ジョージアの紙幣において偽札を防ぐために施されているのは、以下の通りです。

  • UVライトで見える蛍光色の繊維が埋め込まれている
  • マイクロ文字が印字されている
  • 赤外線に当てると細かなイラストが浮かび上がる
  • UVライトに当てると額面の数字が光る

ジョージアでも偽札問題は起こっていますが、他国と比べると深刻化はしていないようで、中央銀行の適切な対策が活かされています。偽札は特に高額紙幣で見つかることがあり、先進的なセキュリティ機能が追加されています。

ジョージアの最低賃金と平均年収は?

ジョージアの最低賃金と平均年収を見てみましょう。まず、ジョージアの最低賃金は1日あたり22GEL(約1,171JPY)です。近隣国の中では低賃金として知られ、多くのジョージア国民がロシア、ドイツ、ギリシャなどに移住するという事態が起きています。ジョージアでは生活困窮により、年金受給者でさえも何らかのビジネスに従事しなければ食べていけない状況が続いているそう。平均年収は6,073GEL(約323,441JPY)ですが、ロシア・ウクライナ戦争の影響で物価高が進んでおり、ますます生活困窮が深刻化しているようです。

まとめ

ジョージアの通貨・ラリについて、また賃金や年収について調査しました。ジョージアでは、ソビエト連邦の崩壊に伴い安定化を目的として導入された通貨であり、以降インフレ等を経験せず安定傾向にあります。侵攻を受けロシアと国交断絶した過去がありますが、ロシアに移住する国民も多いそうです。ラリはジョージアのほぼ全土で使われていますが、一部独立状態にある地域ではロシアの通貨が使われるなど、複雑な事情を抱える国でもあります。旅行で訪れるにも適した、治安の良い国ですので、観光や自然散策を楽しんでくださいね。

参考文献

  1. https://www.jilaf.or.jp/news/20230516-1905/
  2. https://newt.net/geo/mag-401978979754
  3. https://www.ceicdata.com/ja/indicator/georgia/annual-household-income-per-capita
  4. https://en.wikipedia.org/wiki/Georgian_lari#Banknotes
  5. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%AA
  6. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%88%E3%83%AA
  7. https://www.xe.com/ja/

この記事を書いた人

今まで勉強してこなかった歴史と経済にハマり、仕事を辞めて世界を放浪中。旅行をしながらその土地の文化と歴史に触れています。キャッシュレスが進む昨今ですが、意外と貨幣にはその国の歴史が詰まっていました。いつ現金がなくなるか分かりませんが、今だからこそ世界のお金のトレビアを紹介します。

目次