一万石とは?現代だといくら分?「石」という単位や石高・石盛に関して

一万石とは?現代だといくら分?「石」という単位や石高・石盛に関して

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日本の歴史では一万石や百万石といった言葉が使われることがあります。実際に江戸時代の加賀藩は加賀百万石と称されるほど経済力があったとされていますが、一万石とは現代だといくらに相当するのでしょうか。

そこで今回は、一万石とは何か、現代だといくら分に相当するのか、「石」という単位や石高・石盛について紹介します。

目次

一万石とは?現代だといくら分?

歴史の教科書や時代劇で一万石と言った言葉が使われることが多いです。しかし、一万石という言葉がしっかりと解説されることは多くなく、何となくでしか意味を把握しているという人が大半ではないでしょうか。

そのため、大抵の人は一万石はお金の代わりとなるもので、資産を表していると考えていると思いますが、現代だといくら分に相当するのか気になりますよね。

それでは、一万石とは何か、現代だといくら分に相当するのか詳しくみていきましょう。

体積を表す単位

一万石などは時代劇で資産や経済力を表す時に使われているイメージがあるので、お金に関する単位ではないかと考えている人が多いかと思います。しかし、実際には一万石の「石」(こく)というのは一万石とは、㎝やmなどが使われる前に使用されていた尺貫法の体積を表す単位であるそうです。そして、石は土地の生産量つまりお米をどのくらい作れるのかということを表しており、1石で米150㎏分と考えられています。また、1石で大人1人分を養える量だと考えられてきたので、1万石の場合は1万人に相当するということになりますね。

広さは2,000坪?

一万石の広さは約2,000坪であると考えられています。2,000坪と言われてもピンと来ない人が多いと思いますが、約6,612㎡となるようです。

サッカーのピッチが約2,000坪とされているので、加賀藩など江戸時代に有力だった武士などはかなり広い範囲の農地を持っていたということになりますね。

ちなみに、野球場は約4,000坪とされており、大きさなどを比較するときに使われることが多い東京ドームは約14,143坪とされています。

27億円!?

江戸時代と現代では様々なことが大きく違うので単純に比較することは難しいですが、お米1㎏を500円として仮定した場合、1石は75,000円となります。

そして、当時の場合だと1石は約27万円になるそうなので、1万石の場合は27億円ということになりますね。

つまり、加賀百万石という規模は、現代の金額に換算すると約2,700億円規模の街ということになるので、かなり大きいということがわかります。

ちなみに、東京都羽生市の税収収入は100億円とされているので、かなり大きいと言えるのではないでしょうか。

一万石の「石」という単位や石高・石盛に関して紹介!

一万石とは何か、現代だといくら分に相当するのかということはわかりましたが、「石」という単位や石高・石盛とはどういった意味なのでしょうか。

それでは、一万石の「石」や石高・石盛について詳しくみていきましょう。

収穫できる玄米の量

一万石の「石」は上記でも触れたように、江戸時代に使われていた単位で土地の生産性を表しています。石の対象となるのは精米する前のお米、つまり玄米を収穫した体積であるとされています。

1石の下位単位は現代でも使われている斗であり、10斗、100升、1,000合が釣り合うようです。そして、江戸時代などでは1食1合、1日で3合が食事量とされており、それを基準に年間の消費量が1石と計算されていました。

石高とは?

石高とは「土地の生産力=年貢米の見込み量」を示す指標であると考えられています。

そのため、石高は実際に収穫した米の量というより、幕府や領主が行った検地をもとに「この土地は年間どれだけ米を生産できると見込まれるか」を数値化したものとされてきました。

そして、石高は領主の格式や収入を判断する基準として使われ、大名は一万石以上の領地を持つ武家を指すなど、政治制度の根幹を成していたともされています。

様々な基準となっていた

現代の日本ではお米はお金を支払って買うものであり、食料として扱われています。しかし、江戸時代の日本ではお米の価値は非常に高く、様々な基準になっていました。

そのため、土地の生産性を表している石高は、大名や旗本の収入だけではなく、農民に対する年貢の基準にもなっていたとされています。

ちなみに、石高が導入されるようになったのは1582年の太閤検地からとされており、1873年の地租改正までの約300年間も使われていました。

石盛とは?

石高や石高制と深いつながりがあるのが、石盛という言葉です。石盛は石高を算定する際に使われるもので、収穫量の目安となるものと考えられていました。

そのため、石盛は「この村の田は1反あたり3石取れる」と判断されたら、その3石というのが石盛となります。

ちなみに、石盛がどのようにして決められるかは、土地の肥沃度や灌漑の状態、過去の実績などをもとに田畑を等級付けし、その等級ごとに石盛を設定していたようです。ただ、土地の評価は担当者の判断に依拠することが多く、不公正さもあったとされています。

身分秩序にもなっていた

石高・石盛といったものを基準として作られた制度が、石高制となっています。石高制は石高を基準に組み立てられたもので、土地の広さや納める年貢の量、身分といったことに影響を与えていました。

そのため、上記でも紹介していた一万石というのが1つのボーダーラインとなっており、広大な土地と生産力を持っている人物が大名になることができるというシステムにもなっていたようです。

ただ、石高制は収穫量ではなく、見込み量が基準となっていたので不作であったとしても課せられる年貢がすぐに変動することはなかったとされています。

石高=石盛×面積

石高と石盛は名前が似ていることもあり、間違われることが多いワードです。しかし、上記でも説明したように、石高は収穫高を示しており、石盛は見込み量を表しているものとなります。

そして、石高は石盛×面積で求めることが可能です。

まとめ

今回は一万石とは何か、現代だといくら分に相当するのか、「石」という単位や石高・石盛について紹介しました。

一万石とは何かなどを知ると、お米がどれだけの価値を持ち、どういった役割を担ってきたのかということが分かりますね。

ちなみに、1石といった単位が使われなくなったのは、1951年の尺貫法の禁止などが影響しており、メートル法への移行が義務付けられていました。

この記事を書いた人

今まで勉強してこなかった歴史と経済にハマり、仕事を辞めて世界を放浪中。旅行をしながらその土地の文化と歴史に触れています。キャッシュレスが進む昨今ですが、意外と貨幣にはその国の歴史が詰まっていました。いつ現金がなくなるか分かりませんが、今だからこそ世界のお金のトレビアを紹介します。

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