【世界の通貨】ネパールの通貨(ルピー)|硬貨・紙幣・最新デザイン

【世界の通貨】ネパールの通貨(ルピー)|硬貨・紙幣・最新デザイン

この記事では、ネパールの通貨(ルピー)のデザインや、ネパールでの最低賃金など経済事情について調べています。スリランカ 通貨と同じく「ルピー」を用いているネパール。ヒマラヤ山脈に位置する南アジアの内陸国で、ネパールと中国の国境に位置する世界最高峰「エベレスト」が有名ですね。ネパールの紙幣や硬貨にもエベレストのデザインが採用されています。それでは、ネパールの通貨情報を見てみましょう。

目次

現在のネパールの主要通貨

ネパールの主要通貨は「ルピー」です。補助通貨単位として、100分の1の「パイサ」が存在します。パイサは額面が小さいため、ほとんど流通していないようです。硬貨はおつりや少額取引として使われるのが一般的であり、日常的には紙幣が多く出回っています。紙幣と硬貨が重複して存在する額面もありますが、紙幣のほうが優先して使われているようです。

ネパール通貨の表記

ネパールの国際通貨コードは「NPR」と表記されます。「Nepalese Rupee」の略で、国際送金や外国為替市場などで使用されます。通貨記号は、デーヴァナーガリー文字で「ルピー」を意味する「रू」と表記し、英語では「Rs」となります。旅行時などはどちらも見かけるので、両方を覚えておくと便利でしょう。現在は、高インフレや物価上昇の影響でパイサの流通はほぼ消滅しており、ネパール語の表記も存在していないようです。

現在の為替レート

ネパールで使われている通貨・ルピーのレートを見てみましょう。1NPRは日本円で1.06JPYで、一見日本とほぼ変わらないように思えますね。しかし実際にはネパールのほうが物価が安いので、同じ価値の通貨でも水準は変わります。なお、ネパール・ルピーはインド・ルピーに固定されており、1インド・ルピー=1.6ネパール・ルピーに交換できます。1NPRはアメリカドルで0.007USD、ユーロで0.006EURとなります。

ネパールの紙幣とコインの最新デザインと種類

ネパールで使われている通貨と紙幣のデザインをご紹介します。 ネパールの紙幣デザインは、長らく国王の肖像画が使われてきました。しかし、2007年に王制が廃止されると、順次デザインをエベレストに変更。透かし部分にはもともと国王の肖像画がプリントされていましたが、その上からネパールの国花であるラリグラスの花がプリントされたため、若干見づらくなっているようです。

1,000ルピー紙幣

デザイン表(Front)裏(Back)


描かれているものエベレスト山2頭の象
デザイン詳細ネパールでは象がヒンドゥー教の神様である「ガネーシャ」とされている
グレー、茶
透かしラリグラス(ネパールの国花)
大きさ172×70(mm)

(画像の引用:https://www.nrb.org.np/banknotes-security-features/

500ルピー紙幣

デザイン表(Front)裏(Back)


描かれているものエベレスト山トラ
デザイン詳細ネパールは世界で初めてトラの数を倍増させることに成功した国の一つ
茶、バイオレット
透かしラリグラス(ネパールの国花)
大きさ158×70(mm)

(画像の引用:https://www.nrb.org.np/banknotes-security-features/

100ルピー紙幣

デザイン表(Front)裏(Back)


描かれているものエベレスト山サイ
デザイン詳細ネパールでサイは重要な保護動物として扱われている
透かしラリグラス(ネパールの国花)
大きさ148×70(mm)

(画像の引用:https://www.nrb.org.np/banknotes-security-features/

50ルピー紙幣

デザイン表(Front)裏(Back)
描かれているものエベレスト山山羊
デザイン詳細ネパールで山羊はヒンドゥー教のダサイン祭で神に捧げられる重要な動物である
透かしラリグラス(ネパールの国花)
大きさ142×70(mm)

(画像の引用:https://www.leftovercurrency.com/exchange/nepalese-rupees/current-nepalese-rupee-banknotes/50-nepalese-rupees-banknote-mount-everest/

20ルピー紙幣

デザイン表(Front)裏(Back)
描かれているものエベレスト山鹿
デザイン詳細ネパールにはマダラジカが生息している
透かしラリグラス(ネパールの国花)
大きさ138×70(mm)

(画像の引用:https://www.leftovercurrency.com/exchange/nepalese-rupees/current-nepalese-rupee-banknotes/20-nepalese-rupees-banknote-mount-everest/

10ルピー紙幣

デザイン表(Front)裏(Back)
描かれているものエベレスト山ブラックバック
デザイン詳細ネパール南部の平野部に分布している
透かしラリグラス(ネパールの国花)
大きさ133×70(mm)

(画像の引用:https://www.leftovercurrency.com/exchange/nepalese-rupees/current-nepalese-rupee-banknotes/10-nepalese-rupees-banknote-mount-everest/

5ルピー紙幣

デザイン表(Front)裏(Back)
描かれているものエベレスト山ヤク
デザイン詳細ネパールの山岳地帯では重要な家畜として知られる
透かしラリグラス(ネパールの国花)
大きさ120×70(mm)

(画像の引用:https://www.ebay.com/itm/305491367308?_skw=nepal+5&itmmeta=01JV0WD8FR0SMNGYG7RSNYSAF9&hash=item4720b4558c%3Ag%3AT-gAAOSwsOpmDfca&itmprp=enc%3AAQAKAAAAwFkggFvd1GGDu0w3yXCmi1cJA1SGBuxtRRlYhITld3Jd9gPTfF4G0AUiq451%2Bo0ajVRFmm5y%2FjVWb%2B%2FCuvVj9WLpJoHbgmADlvwirGfB21b%2F45jyLn8uCNzloOAGUztKUt12OPjJmX2Yvn7wizWAeg%2Fn%2BUKWDfQP2sM8GJpS8juyTWR0GxFTJuOH0eY9jpeSHQg0tRpu%2F%2BasXt2RfrFcob%2FlNl1WVoZxNDXCZhj2ojjujT7aXhoQv4DoL%2F7F8xmjGw%3D%3D%7Ctkp%3ABk9SR5SItZzYZQ&keyword=nepal+5&sacat=0&relatedSearch=true

2ルピー硬貨

デザイン表(Front)裏(Back)
描かれているものエベレスト山ネパール語で「サガルマータ」農民が水牛を使って田を耕す様子
素材黄銅メッキスチール
大きさ25mm
重さ5g

(画像の引用:https://en.wikipedia.org/wiki/Nepalese_rupee#2007%E2%80%93Present

1ルピー硬貨

デザイン表(Front)裏(Back)
描かれているものネパールの地図額面の数字エベレスト山ネパール語で「サガルマータ」
素材黄銅メッキスチール
大きさ20mm
重さ4g

(画像の引用: https://en.wikipedia.org/wiki/Nepalese_rupee#2007%E2%80%93Present

偽札を防ぐためにしていること

ネパールの紙幣において偽札を防ぐために施されているのは、以下の通りです。

セキュリティスレッドが埋め込まれている
シースルーの図柄がプリントされており、光にかざすと絵が完成する
額面や文字部分がわずかに浮き出た印刷が施されている
視覚障害者向けに、指先で額面が確認できる印刷が施されている
マイクロ文字が印字されている
赤外線インクが使われており、ブラックライトに当てたときだけ確認できる
紙幣を傾けると色が変わるインクが用いられている

ネパールの通貨は、主に高額紙幣(1,000・500・100ルピー紙幣)にセキュリティ対策が施されており、小額紙幣には透かしなど最低限の対策がなされています。特に紙幣を傾けると色が変わるインクは、高額紙幣にのみ使われているそうです。

ネパールの最低賃金と平均年収は?

ネパールの最低賃金と平均年収を見てみましょう。ネパールでは2年ごとに最低賃金を決めるべきとしていますが、実現はできていません。最後に最低賃金の引き上げが要求されたのは2023年で、26,200NPR(約27,963JPY)が要求されていました。ネパールは失業率が高く、生活水準を確保する労働環境が保証されていないという問題があります。平均年収は524,888NPR(約559,849JPY)です。

まとめ

ネパールの通貨・ルピーについて、またネパールの賃金や年収について調査しました。ネパールの紙幣には動物やエベレスト山など文化的要素が描かれ、硬貨にもエベレストや農耕風景がデザインされていました。額面の重複はあるものの、実際の使用頻度には差があり、日常生活では紙幣が主に利用されているようです。労働環境にも課題のあるネパールですが、物価が安いため、日本と同じ年収を得ていれば生活水準は高い傾向にあります。旅行でネパールを訪れる際には、現金を持ち歩くのを忘れないようにしてくださいね。

参考文献

  1. https://www.careerlinkfactory.co.jp/blog/nepalese-employment/
  2. https://www.jilaf.or.jp/news/20250228-3569/
  3. https://skilled-worker.jp/kaigo/kaigo-column/p463/
  4. https://www.nrb.org.np/
  5. https://en.wikipedia.org/wiki/Banknotes_of_the_Nepalese_rupee#Currency_unit
  6. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%AB%E3%83%94%E3%83%BC
  7. https://www.xe.com/

この記事を書いた人

今まで勉強してこなかった歴史と経済にハマり、仕事を辞めて世界を放浪中。旅行をしながらその土地の文化と歴史に触れています。キャッシュレスが進む昨今ですが、意外と貨幣にはその国の歴史が詰まっていました。いつ現金がなくなるか分かりませんが、今だからこそ世界のお金のトレビアを紹介します。

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