近年は物価高騰などの影響があって景気が悪いと言われている状態が続いています。これが長期に渡るとハイパーインフレでお金が紙切れ状態になってしまうことがありますが、デフレのメリットとデメリットはどうなっているのかご存知でしょうか。
そこで今回は、デフレのメリットとデメリットやデフレスパイラルのメカニズムについて解説します。
デフレのメリットとデメリットとは?
2025年11月現在の日本経済は、2022年頃から物価が徐々に上がっていることや円安の影響でインフレの状況にあると分析されています。しかし、有識者などからはデフレから完全に脱却できている訳ではないという見方もあり、インフレとの中間の状態になっているとも考えられているようです。
どちらにしても良い状況ではないと言えますが、デフレのメリットとデメリットはあるのでしょうか。
それでは、デフレのメリットやデメリットなどについて詳しくみていきましょう。
そもそもの意味とは
デフレのメリットやデメリットを解説する前に、皆さんはどういった減少が起きているのかということをご存知でしょうか。
デフレとはインフレとは逆の現象で物価が持続的に下落していき、相対的に貨幣の価値が上がっていくという状態となっています。デフレが発生してしまうのは需要と供給のバランスが崩れてしまい、総需要が潜在算出量を下回ってしまったことが要因となっているようです。
つまり、消費者の購買意欲が下がり、売り手である企業が値下げを行なわざる得なくなってしまったということになります。
安く購入できる
デフレのメリットは物を安く購入できることではないでしょうか。
デフレは物の価値が徐々に減少していくという現象なので、インフレの時には1個150円だったものが80円になることがあります。そのため、デフレ中では物の価値よりもお金の価値が高くなるのが特徴です。
たしかに、現在は物価が高騰してきているのでデフレではなく、インフレ状態だと言えるのではないでしょうか。
貯蓄への影響
現代の考え方では、物やお金の価値は変化していくので預金しているだけでは減少してしまうと考えられています。
しかし、デフレの状況ではお金の価値が上がっているので、仮に貯蓄しているだけだったとしても価値に悪影響がでません。デフレ状態では100円だったら100円の価値があるので貯蓄を行なっている人にとってはメリットと感じられるのではないでしょうか。
ただ、お金の価値が安定している=借り入れに対する返済額も増えるということになるので、注意しましょう。
金利が下がる
デフレ状態では物の価値が安くなるだけではなく、住宅ローンや預貯金の金利が下がるというメリットがあります。預貯金に対する金利が下がってしまうことはデメリットとも感じられますが、住宅ローンの返済額が少しでも少なくなるというのはメリットなのではないでしょうか。
特に、住宅ローンを固定金利ではなく、変動金利で借り入れしている人の場合はデフレの方が恩恵があると思われます。
ただ、デフレはデメリットもあるので完済できなくなるというリスクもあります。
経済面の不安
デフレにはデメリットもあり、経済面の不安が大きいと思われます。多くの消費者は物価が安くなっていることを喜びますが、売り手である企業は売上が低下し、業績が悪化するという不安を抱えており、そのことがデメリットではないでしょうか。
体力のある企業であれば、安く販売しても業績を維持できるかもしれないですが、そうではない場合は給料・雇用面を見直す必要があります。そうなると、必然的に収入が減ったり、首になってしまったりする可能性がありますね。
不景気になる
デフレはメリットとして物価が安くなりますが、それによって不景気になる可能性があると考えられています。一般的には人は安くなったタイミングで物を購入したいと考えており、徐々に下がっていくのであれば、それまで控えようと思うのではないでしょうか。
そうすると、買い物を控える人が増え、結果的に経済が循環しないという状態に陥ってしまいます。そして、それが長く続くと倒産する企業などが増えていくということになるので、デフレのデメリットと言えるのではないでしょうか。
デフレスパイラルのメカニズムを解説
デフレスパイラルはデフレの状態が長期間に渡って起こってしまう現象のことで、経済の縮小・停滞、物価の持続的な下落といったことが発生してしまいます。また、企業の売上低下や賃金の低下、需要の減少といったことまで発生してしまうデフレスパイラルですが、なぜこのようなことが発生してしまうのでしょうか。
それでは、なぜそのような状況になってしまうのか、デフレスパイラルのメカニズムについて詳しくみていきましょう。
バランスが保てていない
日本の経済システムには自動安定化機能というものがあるとされています。通常であれば、それが作動して健全な経済状況になるようにコントロールされているそうです。
しかし、自動安定化機能が上手く作動しないことなどをきっかけに、デフレが発生して最終的にデフレスパイラルに陥ってしまいます。
物価下落から売上減少
一般的にデフレスパイラルのメカニズムとしては、最初に物価が下落することから始まるとされています。物価が下落してしまうと、企業に入る売上は減少することになってしまいますね。
そうなると、企業が従業員に対して支払う給料を維持することができなくなってしまいます。そして、多くの人は少ないお金を将来のために貯蓄しようと動くようになり、購買意欲が下がってしまうようです。
繰り返し起こる
デフレスパイラルのメカニズムは上記で説明したように、物価下落→売上減少→給料・雇用への悪影響→購買意欲の低下となります。
そして、デフレスパイラルの怖いところはこのプロセスがループするように続いていくことです。購買意欲が下がったことで益々物は売れなくなってしまい、さらに売上が減少してしまいます。
そうなると、企業は給料を減らすかリストラをするといった行動を取らなければならなくなり、より一層物が購入されなくなってしまうというのがデフレスパイラルのメカニズムです。
まとめ
今回はデフレのメリットとデメリットやデフレスパイラルのメカニズムについて解説しました。
デフレはデメリットだけではなく、メリットもありますが、それが続くとデフレスパイラルになってしまいます。
ただ、今後はデフレでもインフレでも安心して暮らせるように節約や余ったお金を投資に回すといったことが重要になってくるのかもしれないですね。







